スマイルウォーター

11話
繋は分からなかった。
現在多くの研究者が治療法を研究しているがまだ歩けるようになるための治療が確立するまでには時間がかかるように思えた。
「……きっとなる。多くの研究者が研究しているんだから」
実奈は笑顔になった。
繋は実奈に希望を与えたようだった。
そして2人は別れ繋が家に帰ると母親の木乃美が待っていた。
「おかえり」
「ただいま」
「繋、ちゃんと仕事上手くやってる?」
「やっているさ。後、俺、恋人が出来たから」
「ほんと? 繋にとって新しい彼女じゃない」木乃美は喜んだ。
「彼女さん大事にしなさいよ」
「分かっている」
繋は実奈が車椅子である事を言わなかった。
それはあまり大した事ないだろうと考えて。
一方実奈がリビングに行くと亮太と雅美が重い表情で椅子に座っていた。
「実奈、恋人とはどうだ?」
「上手くやっているよ」
亮太は頭を抱える。
「………実奈、彼とは別れた方が良い」
実奈は思わず耳を疑った。
「何でそんな事言うの?」
「普通の人ですら厳しいのにそれが天才ドクターならなおさらだ。そんな人を支えられるなんて実奈には厳しい。それにこれから彼に試練を与える事になるかもしれない」
「……私は好きな人と結ばれちゃ駄目だと言っているの?」実奈は寂しそうだった。
「そんな事はない。むしろ嬉しいさ。娘が車椅子である事を知っていてもそれでも良いと言ってくれるんだから。でも実奈には傷ついてほしくない」亮太は言った。
「だったら私の邪魔しないでよ」
「前の事もあって心配なんだよ。実奈にはまだ傷付いてほしくない」
雅美は実奈の側に寄る。
「実奈、分かってほしいのよ、私はあなたの親だしあなたには傷ついてほしくないの。それに色々心配なのよ」
実奈は思わず動揺した。
「お父さんとお母さんはただ周りの目や考えが怖いから私の交際を否定しているだけでしょ?」
「そんな事はない」
「そうだよ。それじゃ私は一生交際も出来ないし結婚も出来ない。私は1人じゃない」実奈は悲しそうな表情をした。
亮太と雅美も自分達の言っている事は差別でありおかしいとは分かっていた。
しかし実奈が交際して結婚しても相手の男は最初は心良く世話をしても数年後世話に疲れて逃げるような未来しか見えなかった。
2人は実奈の未来は明るくないと勝手に断言していた。