恋のキューピッドは怪獣でした!

(よし、出来た!)



私は満足して大きく頷く。



カレーのことも教えてもらったし、手島さんに対する印象は少しは良くなったけど…
でも、やっぱり、プライバシーは守らなきゃ!
私の部屋には、生活費もあるんだし。



お風呂からあがった私は、ホームセンターで買ってきたふすま用の鍵を取り付けた。
ちょっと苦戦したけど、どうにか出来たみたいだ。
これで、とりあえずは安心。
手島さんは嫌な想いをするかもしれないけど、やっぱりこれは仕方ないよね。



鍵をかけると、なんだかとっても気分が落ち着いた。
今夜はぐっすり眠れそうだ…って、いつも熟睡してるけど。



布団にもぐって、目を瞑ったら、なぜだか史郎さんのことが頭に浮かんだ。
史郎さんは今頃……



(だめだめ!)



おかしな想像はしないに限る。
そもそも、史郎さんは私の彼氏じゃないんだから。
どこで誰と何をしようが、そんなの史郎さんの勝手なんだから。



でも、こんなに気になってしまうのは、なぜだろう?
やっぱり、私、史郎さんのことが好きなのかな?
って、そんなのありえない!
私にはとてもじゃないけど手が届かない人なのに…



年齢的にも、見た目でも、能力でも…
私が、史郎さんに好かれる要素はまるでなし!
あまりにも悲しき片思いだよね。
好きになってもどうにもならない人だよね…