恋のキューピッドは怪獣でした!





「これがあんたの精一杯?」

「え……は、はい。」

「ふぅ~ん……」



カレーを食べながら、手島さんはそんなことを言う。
つまり、それは美味しくないってことだよね。



「あの…このカレーですが、何点くらいですか?」

「何点?このカレーを採点しろっていうの?」

「は、はい。」

「……じゃあ、正直に言うよ。
そうだね……まぁ65点ってとこだね。」

「65点……」



そっか、やっぱりそんなもんか。
私の中では得意な方だったけど、65点なんだね。
そんなのを自信満々で、史郎さんに食べさせてたのが恥ずかしい。



「決してまずいってわけじゃないんだけど、これはルーを入れて手順通りに作っただけだからね。」

「やっぱりルーから作らないとだめですか?」

「そうとは限らないよ。
ただ、野菜を煮込む時にブイヨンを入れたり、隠し味を使ったり、後は切り方をもう少し工夫した方が良いね。」

「じゃあ、もっと頑張れば美味しくなるってことなんですね?
あ、隠し味ってたとえばどういうのを?」

「それはね……」

「あ、待って下さい。メモします!」

私は、手島さんの言葉を早速書き留めた。