恋のキューピッドは怪獣でした!

「ちょっと!あんた!」

ふすまの向こう側から、手島さんの声が響いた。



「……なんですか?」

「今からぬか漬け作るから、あんたも来なさいよ。」

「すみません。ちょっと用がありますから、後にして下さい。」

「何なのよ、用事って。」

「……プライベートなことです。」

そう言うと、私は外へ飛び出した。
自転車をかっ飛ばして、ホームセンターに向かった。







「そうじゃない。そこはもっとしっかり!」



帰って来たら、すぐにぬか漬け作りに呼ばれた。
意外と手間がかかるようで、今日はぬか床をいうものを作るだけだった。
ぬか漬けなんてスーパーで買えば良いのにって思うけど、手島さんに作ってくれっていうところを考えると、きっと、手島さんはよほどぬか漬け作りがうまいんだろうね。



「今晩の夕飯はあんたが作ってよ。」

「それはかまいませんが…何か食べたいものはありますか?」

って言った後で、ちょっと焦った。
難しいものを言われても作れませんけど~…



「そうねぇ……私は好き嫌いはないけど……あ、そういえば、御主人に初めて作った料理は何なの?」

「……カレーライスですけど。」

「カレー!?」

そう言って、手島さんはくすりと笑った。
嫌な感じ…
それって、馬鹿にしてるんだよね??