恋のキューピッドは怪獣でした!

「手島さん、お掃除終わりました。」

部屋の前で声を掛けたら、なんと、私の部屋のふすまが開いて…



(え……?)



「遅かったわね。」

「あ、あの…手島さん、なんで私の部屋に…」

「あんた、何なの?これは…」

手島さんは、私の家計簿を差し出した。



「あっ!」

私は、手島さんの手から家計簿をひったくった。



「あのね、御主人はそういう細かいことは嫌いなの。
そんなの付けたって、意味ないのよ。……わかる?」

「何、勝手に他人の部屋に入ってるんですか!」

「良いじゃない、同じ家政婦なんだから。」

「良いはずないでしょ!」

また二人の間で火花が散った。
本当に信じられない!
他人の部屋に勝手に入るなんて…!



「今までの人は、ふすまも閉めなかったわ。」

「今までの人は知りませんが、私はいやですから絶対に入らないで下さい!」

「なによ、固いことばかり言って。
はいはい、あぁ、わかりましたよ。
金輪際、あんたの部屋には入りませんよ。
……それで良いんでしょ!?」

逆切れかいっ!
本当に信じられない!



(あ、お金……!)



私は部屋に入り、お金を確認した。
わかりにくい所に隠しておいたせいか、それはその場所にあった。



(良かった……)

私は再び、お金を元の場所に戻した。