恋のキューピッドは怪獣でした!

「どうして、あんたが管理してるの!?」

「どうしてもです!
これだけは譲れません!」

私と手島さんは、激しくにらみ合う。
この状況を漫画で言うなら、お互いの視線から火花がバチバチ飛んでぶつかっている感じだと思う。



事の発端は、手島さんがスーパーに行くって言いだしたこと。
おそらく、ぬか漬けの材料を買いに行こうとしたんだと思う。
いつもの引き出しにお金がないことで、手島さんは私に食ってかかった。



史郎さんはああ言ったけど、やっぱり、あんなところに大金を置いとくのは不用心だと思って、お金は私の部屋に置いとくようにした。
今までは私ひとりだったからそれで良かったんだけど、手島さんはやっぱりそれがいやみたい。



「良い?今から私はスーパーに行かなきゃならないの!
買い物にはお金がいるでしょう?」

「それなら、私も一緒に行きます。」

「私ひとりで大丈夫よ。
あんたは、お掃除があるでしょ?」

「掃除は買い物から帰ってからします。
もしくは、必要な額をおっしゃって下さい。
それをお渡しします。」

「そんなの行ってみなきゃわからないわよ!」

「じゃあ、手島さんが立て替えておいて下さい!
レシートを持って来て下さったら、その分をお渡しします。」

「レシート?私のことを全く信じないってことなのね!」

「はい!」

手島さんが強気で来るから、私もつい同じようになってしまった。
本当は揉めたくないんだけど、まさに、売り言葉に買い言葉ってやつだ。
もう引けない!