恋のキューピッドは怪獣でした!

「……手島さんの味だね。」

「完璧とは言えませんが、今日は付きっきりで指導致しました。」

「うん、美味しい。」



(わ……)



史郎さんが『美味しい』って言ったのは、ちょっとショックかも。
私が作ってた時には、確か、美味しいなんて言わなかったような…
やっぱり、私の料理は美味しくなかったのかな?
今までは無理して食べてたってこと?
なんか、けっこうショックなんですけど~…



「今日の料理、君が全部作ったの?」

「え?あ…は、はい、手島さんに教わりながらなんとか…」

「そっか、良く出来たね。」



え?それってほめてくれたのかな??



「この人、包丁がうまくなくてびっくりしました。
ですから、見て下さい、この白髪ねぎ…こんなに太くて。」

「大丈夫だよ。
そのうちきっとうまくなるから。
それにこれはこれで、歯ごたえがあって良いじゃない。」



え?今のはもしかしてフォロー??
私のことをかばってくれた?



そうだよ、いきなりにしてはけっこう頑張った方だと思うよ。
今日は、今までよりずっとレベルの高いことをいろいろさせられて…
だから、うまく出来ないことも確かにたくさんあったけど、それなりには出来た方だよ、うん。