恋のキューピッドは怪獣でした!

サバの塩焼きと、ほうれん草のお浸しと、肉じゃがとお味噌汁。
私なりには、まぁまぁうまく出来たと思う。



「いただきます。」

私が一口目を食べようとした時…



「申し訳ございません!」

いきなり、手島さんが頭を下げた。
え?何?
何がどうしたの??
私には皆目意味がわからなかった。



「手島さん、どうかした?」

史郎さんも、やっぱりわからなかったみたい。



「私が骨折なんてしてしまったせいで、こんな粗末なお食事をさせてしまって…」

手島さんはそう言って、悲しそうに俯いた。



(粗末……!?)



「あぁ、そんなこと気にしないで。
俺は、こういうごはんもけっこう好きだから。」

「いえ…私のせいです。
私が怪我をしたばっかりに…」



なに?この食事って、だめなの??
お味噌汁にも大根とか野菜を入れて、お味噌も減塩のを使って健康のことを考えて作ったんだけど。



「本当に、問題ないから。」

「失礼します。」

手島さんは、そう言うと、お味噌汁とお浸しと肉じゃがを順番に口に運んだ。



「酷い味じゃないですか。
みそ汁は水っぽいし、お浸しは塩辛過ぎる、肉じゃがの肉は固くなってるし、それにこの人、インスタントのだしの素なんて使ってるんですよ。
それにたったこれだけ用意するのに、時間はずいぶんかかってましたし。」

そこまで言う??
インスタントのだしの素を使ってるのは本当だけど、私は十分美味しいと思うんですけど。