恋のキューピッドは怪獣でした!

「すみません。私、今からスーパーに行きますので…」

食材はまだ少し残ってたけど、そう言ったら、手島さんが帰るんじゃないかと思って言ったのだけど…



「スーパーなら、私も一緒に行くわ。」

意外な返事が返って来た。



「え、でも……」

「何?私と一緒じゃ、なにか都合の悪いことでもあるわけ?」

「そんなことはありませんが…」

「じゃあ、いいわよね?」



本当に押しの強い人だ。
今更、スーパーには行かないというのもおかしいし、私は仕方なく手島さんとスーパーに行くことにした。







「え?」

「呼んどいてあげたわ。
あんたが先に乗って。」

お屋敷の前に、タクシーが止まっていてびっくりしたのだけど、どうやら手島さんが呼んだようだ。
足がまだ良くなってないみたいだから仕方ないのかもしれないけど、それなら家で待ってるか帰れば良いのに。



「あ、私は自転車で行きますので…」

「そうなの?じゃあ、タクシー代ちょうだい。」

手島さんが、手の平を差し出す。



「え?」

「引き出しにお金あるでしょ?」

なんと、手島さんはタクシー代も生活費から出そうとしていたようだ。



「そのタクシーは手島さんが呼ばれたんですから、手島さんが払って下さい!」

「なんでよ、あんたの仕事ぶりをチェックするために私も着いて行くのよ。
それに、今までだってスーパーに行く時はいつもタクシーで行ってたわ。
ご主人がそうしたら良いって言ってくれたんだもの。」

手島さんは、全く引きそうにない。
タクシーの運転手さんを待たせるのも悪いし、仕方なく、私もタクシーに乗り込んだ。