恋のキューピッドは怪獣でした!

しばらくすると、手島さんがまた戻って来た。



「掃除は、まぁまぁってところね。」

私は、それに対して何も返事をしなかった。



「食事はどうなの?
昨夜は、何を作ったの?」

「昨夜は、カレーライスですけど…」

「カレー?そんなものを作ってるの?」

手島さんは、馬鹿にしたような口調でそう言った。



「史郎さんは、カレーがけっこうお好きなので…」

私がそう言うと、手島さんは鼻で笑った。



「私はそんな、誰にでも作れるようなもの作ったことはないわ。
あ、インスタントのだしの素なんて使ってないでしょうね?」

「え?そ、それは……」

だしの素、使っちゃだめなの?
そう言えば、確かにここにインスタントのだしの素はなかったよ。
だから、スーパーで買ってきた。
当然、いるものだと思ってたから。



「……ご主人もどうしてこんな人を雇ったのかしらね。
あ、あんた、お給料はいくらもらってるの?」

「そ、そんなこと、言う必要ないと思います!」

本当に失礼な人だ。
お給料のことなんて、言うことない。



「あんたみたいな人なら、私の半分で十分だわ。」

勝手に言ってろ。
私はもう手島さんを相手にするのはやめた。