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それからは穏やかな日々が続いた。
私も家事に慣れてきて、以前より効率良く掃除や片付けが出来るようになって来た。
ネットで探して、料理のレパートリーも少し増やしたし、私の家事レベルも多少なりとも上がって来てるような気がする。



そんなある日のことだった。



「わっ！」

「えっ！」



台所で茶碗を洗っていたら、突然、見知らぬ人が入って来て、私は、心臓が飛び出る程驚いた。
驚いていたのは相手の人も同じだ。
その人は中年の女性で、足が悪いらしく杖をついていた。



「あ、あの…ど、どなたですか？」

「それはこっちのセリフよ。
あんた、誰？」

「わ、私はここの家事を任されている者ですが…」

「え？そうなの？」

女性は、私のことを怪訝な顔してじろじろとみつめた。



「あ、あの……」

「私は手島。手島涼子、ここの家政婦なんだけど、足を骨折しちゃってね。」



（あ……）



そう言えば、『手島さん』って名前は何度か聞いたことがある。
そっか、それがこの人だったんだね。



「そうでしたか。
足の具合はいかがですか？」

「まだ全然だめ。
歩くには杖が必要だし、とてもじゃないけど家事なんて出来ないわ。
でも、ここのことが気になって、ちょっと様子を見に来たのよ。
そう…あんたが私の代わりの家政婦なのね。」

「はぁ、そうですね。」