「君は、意外と信頼できる人だからな。」

「えっ!?わ、私がですか?」

史郎さんはにっこりと微笑む。
え?え?一体、どういうこと??



「あ、あの…どうして、そんな風に……」

「……さぁな。じゃあ、今日の見学はこれでおしまい。
俺は風呂入って寝るから。じゃあ。」

「は、はい。」

なんだか無理やりに追い出されてしまった。







(どういうことなんだろう?)



今日の家事を済ませた私は、部屋に戻って考える。



『君は、意外と信頼できる人だからな。』



史郎さんのあの言葉が、頭の中をぐるぐる回る。
とても嬉しいことだけど、私の何を見てそんな風に思ってくれたんだろう?



考えてみたら、史郎さんは今までお友達を家に連れて来たことはない。
もちろん、彼女さんも。



なんでかな??



レギラ部屋をみんなに見せて、自慢したくならないのかな?
私だったら、きっと皆に見せびらかすね。
SNSにも画像貼りまくる。



どうして、私をレギラ部屋の最初の見学者にしてくれたんだろう?
不思議だ。
すごく気になる。



だけど、史郎さんは訊いてもきっと教えてくれないよね。
気にはなるけど…とにかく今はレギラ部屋を見られたことだけを素直に喜ぼう。