恋のキューピッドは怪獣でした!

「たまには息抜きしてもらおうと思って…」



(……え?)



どういうこと??
今日は、レギラのイベントはなくて…息抜きってことは…



「そ、それじゃあ…もしかして、私のために…??」

「……どこに行ったら君が楽しめるのか、俺にはよくわからなかった。
だけど、俺なりに考えたんだ。
もし、こういうの好きじゃないって思われたらどうしようって心配だったけど…
でも…楽しんでもらえて、本当に良かった。」

「え……」



私が、休みなんていらないって言ったから…
それを気にしてくれたのかな?
一人じゃ、私が出掛けないと思ったから、わざわざ付き合ってくれたってこと?

そんな風に思ったら、胸がいっぱいになって何も言えなくなって…
自然と涙が込み上げて…



「お、おい、どうしたんだよ。」

「な、なんでもないです。」

あぁ、最悪だ。
若い子ならともかく、タクシーの中で突然泣き出すおばさんなんて、あまりに痛い奴過ぎる。



だけど、史郎さんの気持ちが嬉しくて…
止めようとしても、涙はますます増すばかり…



そんな私に、史郎さんはおろおろして…



「どうしたんだよ。俺、何かまずいことでも言ったか?」

「ち、ちがいます。その反対です。」

嬉しいよ。心の底から嬉しくてたまらないよ。
私なんかのこと、そこまで気遣ってくれて…



史郎さんのことがますます好きになってしまう。
どうしよう!?
好きになっちゃいけない人なのに…