恋のキューピッドは怪獣でした!

自分だけのためだと、どうしてもそうなっていくよね。
でも、ここでは史郎さんのためっていうのがあったから、頑張れたんじゃないかな。
もちろん、手島さんには全然かなわないけど、私なりに献立から一生懸命考えて、これでもいろいろと気を遣って作った。



そうだよね…
誰だって、誰かのためっていうのがあったら、頑張れるんだよね…



じゃあ、やっぱりここをやめたら、やる気なくなってしまいそうだな。
もったいないけど、仕方ないよね。
かといって、転職して家政婦さんになるっていうのも無理だと思う。



多分、私の家事レベルはまだ低い。
私がせめてあと十年でも若かったらそれでも許されたかもしれないけど、年齢的にも今から新しいことを始めるのは難しいと思う。
そもそも、私なんて雇ってもらえないよね。
史郎さんだから…
レギラのことと、ちょうど手島さんが怪我をしたっていうことがあったから、雇ってもらえただけ。
運が良かっただけなんだ。



でも、そんな棚ぼた的な幸運は、そう長くは続かないもの。



そう…あとちょっと。
あとちょっとで、この暮らしも終わるんだ…
ちょっと悲しいけど、仕方ないことなんだよね。