「好きになるんじゃなかった」


暗い、一人きりの部屋で、私は泣きながらそう呟いた。

半分本音で、半分嘘。
ううん、8割本音で、嘘は残りの2割かも。

だって、もしあなたを選ばなかったら、別の未来があったのかもしれない。

こんなに苦しい恋愛をしなかったのかもしれない。


涙を流しながら時計を見ると、もう時間は深夜の2時4分だった。
こんな時間まで、泣いてたんだ。

あの人は、どうせあの子と寝落ち通話してるんだろうな。
そう考えると、また涙が溢れ出た。

彼女なのに、彼女らしくない私。
彼女じゃないくせに、彼女みたいなあの子。


世の中は平等ですなんて言うけど、そんなの嘘だ。
だってこんなにもあの子ばかりが得をしている世界だ。

全部、全部が許せなくて、
私はまた黙って泣いていた。