これは一つの夢だ...。

一人の男の人が私に近づいてくる。
とても怖い格好をしている。

でも私は不思議と怖くない。

でもここはどこだろう。
どうやら随分と前のことのようだ。

私はその男の人から抱きつかれた。

その人はとても暖かくて、優しかった。

私の名前を呼ぶ声....。
鈴の鳴るような声で、とても綺麗だった。

私はとても愛しく思った。

それからは何が起きたかわからない。

男の顔といっても、白くぼやけていてわからないのだ。

ただ、何かむなしく感じるだけだ。

私は何度同じ夢を見るのだろうか。

どうかこの悲しい思いを消し去ってはくれないだろうか?



今日は、ゆっくり歩いていた。
時間に余裕などあるわけないが、私の心にはいくほどの余裕があった。
春の風が心地いい。

今日は本当にいい天気だ。
私はぽそりと口にした。
でも今となると皆、席についているのではないか?
とふと思い、私は腕につけている時計をみた。
見てみるともう少しでHRが始まってしまう時間ではないか。
私は急いで歩いて行った。

すると確かに校門が見えてくるとき、あの先生に、そこの一年生早くしろ、校門閉めるぞというように急かされた。
私は大急ぎで走った。