「クリスマスなんてなくなればいいのに」


駅前のイルミネーションを眺めながらこぼした。

夏前からわたしについて回る、少しうざったい後輩の前で。


「おれもそう思います」


珍しく意見が合致した。

普段、こいつは人の話を聞かないから、独り言のつもりで呟いたのに。


「なんでわたしがこんなこと言ったかわかってる?」


「わかってあげたいけど、残念ながらわからない」


どこまでも上から目線。

……ちがうな、この場合、彼氏面というのだろうか。

本人にその気があるのかは謎だけれど、素で言っているのなら鳥肌モノだ。勘弁してくれと言いたい。言わないけど。

なにをですか?と首を傾げるこいつの姿が目に浮かぶ。