少女は言う。
はしゃいだように、
言う。
「僕もだよ!」
と、少年は言う。
「キミの温かさが好きだ。
ぬくもり、が好きだ」
それから、こう続けた。
「命が終わるって言うのはね。
このたくさんの宇宙の一部に、
帰るってことなんだ。
もともと、星は一つだった。
宇宙が始まるとき、
ビックバンが始まるとき、
星くずは、無数に散っていって、
はじめは、岩石で、
そこから地球になった。
大地に、生き物が生れた。
僕らの祖先だ。
つまり、僕らは、
僕らをつくる物質は
はじめは、
宇宙のちり、だった。
命が終わるって、言うのはね。
その宇宙のちりに、
帰るって、ことなんだ」
少年は語った。
その声を聞いて、
少女がまた聞く。
「ねえ。
神様が、
ちりになった私たちを、
大きなシャベルですくったら、
もう一度、
生まれる事ができるのかな?」
「ああ!
きっとまた
生まれることが、
できるだろうね。
でも、そのときは、
きっと、
元の僕らじゃないんだ。
宇宙には、
何億、とか、
何兆、とか、
そんなくらいじゃない
もっとすごい数のちり、があるんだ。
だから、神様がすくっても、
もう元の僕らじゃないんだ
違う僕らになっちゃうんだ。
だから、
僕らが、
ここで、こうしてお話できるのは、
宇宙のちりを、
ぜんぶ集めるくらいの
奇跡なんだよ」
少年が、答える。
少女は、ぎゅっ、と力を強めて
少年に抱きつく。
少年も、ぎゅっ、と抱きつく。
星明かりは、二人を照らす。
無数の宇宙の、ちりたちと共に。


