ガチャンッ。
と、音がして、
扉が開いた。
少年の胸が、
またドキンと脈打った。
「いらっしゃい」
「おじゃまします」
少年と、少女の目が会った。
彼の心は踊っていて、
口のなかはカラカラに乾いていて、
足は震えそうだった。
それくらい嬉しかった。
たった一目、
会えたというだけで、
少女の華奢な手足も、
ふわりと舞う
きれいな黒髪も
色白の肌も、
初々しい微笑みも、
すべて独り占めしたくなるような、
可憐な少女。
幻想の世界に、
描かれたような
奇跡の少女だと思った。
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