僕は彼女の名前をまだ知らない

「ヒロキ、話があるの。」

彼女が帰ってしばらくした後、お母さんに言われた。



「今日来てた、女の子のことだけど。」

「うん。」
僕は、身構えた。

僕も彼女も秘密を隠したまま、うわべだけの関係でいるのだし、「彼女と僕は友達だ。」と、胸を張って言えるわけではない。

僕たちの関係を、言葉にするのは難しいし、僕の秘密をお母さんに言えば、きっと傷つく。