僕は彼女の名前をまだ知らない

「ただいまー」

僕たちは顔を見合わせた。
「どちら様?」と、彼女が小声で僕に聞く。

「ごめん。お母さん帰ってきたみたい。」
「そっか…じゃあ、そろそろ帰るね。」

彼女は、荷物をまとめて帰ろうとしていた。