僕は彼女の名前をまだ知らない

「はーい!できたよー!」

その声で、彼女から出されたお椀に目を向けると...

鼻腔をくすぐるあんこの匂い。
とろとろと、今にもとけだしそうなこのお餅。
ほかほかと立ち上る甘い湯気。


ぐ~っ、と、さっきお餅を吸収したばかりのお腹が音をたてた。


「うまそう...」
今にもよだれを垂らしそうになりながら、僕は思わず呟いた。

「でしょー?」と、彼女は得意そうだ。