僕は彼女の名前をまだ知らない

どうやら、僕たちが長々と話している間に、餅が固くなってしまったらしい。

試しに僕もかじってみると、確かに固くなっていた。
わざわざ叫ぶ必要はないと思うけど。


「でも、この餅どうするの?
捨てるわけにはいかないでしょ?」
僕がこんなことを聞いたのは、彼女が餅を捨てるような勢いで叫んだからだ。

餅のような、縁起のよさそうなものを捨てるには、さすがにちょっと抵抗がある。


「大丈夫!!
おぜんざいにするから!」

彼女は、意気揚々と言った。