___________ 千代の家の インターホンを鳴らすと 千代のお母さんが出てきた。 「こんにちは!」 「いらっしゃい! 千代まだ準備してるから 家にあがって待ってなさい」 落ち着いた優しい声。 千代によく似た目が アーチを描く。 「お邪魔します」 僕はリビングのソファーに腰をかけた。 千代の家を見渡すと 前来た時よりも物が減っていた。 荷造りが進んでいるんだな。 複雑な気持ちになった。 「クッキーよかったら食べて」 千代のお母さんは 手作りのクッキーをテーブルに置く。