僕は必要なものを持ち倉庫を後にした。 テント、ランタン、寝袋を準備して スポーツドリンクもトランプも リュックに詰めた。 「いってきまーす」 ばあちゃんに元気よく挨拶して 千代の家まで走った。 青空に飛行機雲がうつっていた。 水たまりに思い切り入って 水しぶきを飛ばしてみせた。 クロックスをはく僕は なんの恐れもなかった。 これから冒険が始まる。 そう思うと 景色が変わって見える。 今日、グラウンドを走った時よりも 速く走れている気がした。 爽やかな水色の風が吹いた。