……ドクン、ドクンと、不意打ちすぎて心臓がうるさい。
成瀬くん。それは、ちょっとズルいんじゃないかな。
クリスマスなんてなくなればいいと思ってた私が、やっぱりクリスマスって捨てたもんじゃないって思っちゃってる。
本当に本当に、都合がいい。
次の恋は未定だし、来年のクリスマスもひとりかもしれない。でも、でも……。
「成瀬くん……っ!!」
私は慌てて追いかけた。
チロルチョコは嬉しくないって言ってたけど、これはどうだろう。
分かんない。恋って難しい。
だけど、成瀬くんがどんな人なのか知りたいって今は思ってる。
「コ、コンビニのチョコケーキ!ふたつ入りなら一つずつ食べて帰りませんか?」
私の声が廊下に響いた。
成瀬くんは一瞬ビックリしたような顔をしたけど、そのあととびっきり嬉しそうに笑うから……。
もう最悪なクリスマスなんて、言えなくなった。
*END*



