「ねえ、ずっと気になってたんだけど、成瀬くんって頭よくなかったっけ?」
授業中に指されてもすぐに答えるし、たしか学年でも上のほうにいた記憶がある。
「うん。でも補習を受けたい人は自由に参加していいって言われたから」
「……物好きだね」
私なんて補習を回避しようと必死だったのに、わざわざ自分から参加してきた人がいるなんて。
「プリント、見せてあげようか?」
成瀬くんがとっくにプリントを終わらせていることはずいぶん前から気づいてた。
なのに、成瀬くんは帰ろうとはしない。
もしかして私のこと……気遣ってる?
「いや、大丈夫。っていうか今日の私は色々と脆いから無闇に優しくしないで……」
みんな今頃、好きな人と楽しい時間を過ごしているんだろう。
そういえば、ぼっちの人はみんなでカラオケに集まってクリスマスパーティーをしようと誘われた気もする。
でも途中参加は気まずいし、あんまり仲がいい人はいないし、でもひとりで家に帰るのは、もっと虚しい。
「……あーもう!クリスマスなんてなくなればいいのに!」
私は不満を吐き出すように大声を出した。



