「でさ、なんか落ち込んでるのが馬鹿らしくなってきて。用事済ませて帰ったら、ジャックいなくなってたんだ」



 そして、いつの間にか花奈の所へ帰ってきていた。
 確かに行方不明だったというのに、ジャックは汚れていなかった。


 そういうことだったのかと、花奈はジャックを撫でたくなる。



「気のせいかもしれないけど、ジャックが勇気くれた。元気になったから安心して帰ったのかなって」

「そうかもね」



 花奈はふと思って咲也を見つめた。



「じゃあ、なんで学校来ないの?」

「あ……それは、なんとなくタイミングが」

「ジャックが悲しんでるわ、きっと」

「……うん、わかってるけど」

「じゃあ、さ」