「ナンパすんなら整形してから出直せ」
暗い路地から出ると
「きゃー、ありがとう!助かった♡」
と、化粧バリバリの女がよってくる。
というのもこの女から依頼を受けたからだ。
「ん、また困ったことあったら言って。」
「ありがとう!遠宮くん!♡」
あたしは女だ。
あの女が人混みで見えなくなってから、あたしは家の方に歩き出す。
「ま、まって。」
誰かが話しかけてきた。振り返ると、茶髪の男がたっている。
「俺、みてた。」
は??
「なにを?」
「君が暗い路地でボコってるとこ」
何も言わずに茶髪を見つめてると、また茶髪はあたしの近くに来て口を開く。
「俺、伊藤 龍平、 強いんだな。でも、喧嘩しちゃダメ。家にきて。手当する。」
綺麗に笑うそいつは、あたしの腕を引っ張ってグイグイと前に進む。
「っ、おいっ!あたしは怪我してない!手当するの路地で倒れてる人だろっ!?離せよ!」
と言っても全く聞く耳を持たない、
もういいか、と諦めた。そいつが止まったのはケーキ屋の前だった。
「ケーキ屋によってる暇があるなら家に帰らせろ。」
「ここ、俺ん家。」
お前の家ケーキ屋だったのかよ。 つか、お前誰だよ。
グイグイと家に入りあたしを引っ張っていく。
途中で家族らしき人に会ったが、気に止めることなく自分の部屋に入っていく。もちろんあたしも入る。
「てきとーにすわって。今救急箱持ってくるから。」
「だからっ、怪我してないってんだろ!無理矢理連れてきやがって!」
「うるさい、近所迷惑。」
「誰のせいだとっ!!」