ひとまず近くの公園に来てみた。

太陽が沈んでいってる。もう夕方か。

子どもたちがお母さんと手を繋ぎながら帰って行くのを遠目で見る。

丁度いい、ブランコで遊びたい。

私は鞄を乱雑に捨てると一人きりになった公園で遊び始めた。

見ることはあっても自分が遊ぶ機会がなかった。

元々うちは母子家庭だったけどお母さんが精神病を患っていて、普通の家庭がするようなことを何一つしていなかった。

小さい子が友達とここで遊んでいるのが羨ましかった。

それにしてもどうしよう。いずれ夜が来てしまうけど公園で野宿でもするか?

お腹も空いた。でも私の荷物は服とか私の最小限の生活用品だけで、食べるものは何もない。

お母さんが普通だったらお父さんがいたら私がもっとしっかりしてたらお家が金持ちだったら

今更願ったってもうなにも変えられない。

と、空から水滴がかかってきた。

雨だ。