今日はクリスマス。

僕は恋人である悠輔を驚かそうと
連絡をせずに来た。

合鍵は持っているから
それで開けて玄関に
足を踏み入れた瞬間に後悔した。

リビングからは事情の最中だとわかる
女の声が聞こえて来たからだ。

ご丁寧に相手の名前まで
呼んでいるんだから隠しようもない。

僕が聞いているとは
夢にも思っていないだろう二人に
気付かれないように外に出て
玄関の鍵を閉めた。

悠輔の浮気癖は知っていたけど
女もいけるとは初めて知った。

流石に僕も限界だ。

クリスマスだというのに
一人寂しくアパートに帰り
荷物をまとめて夜行列車に乗った。

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実家に三日程、滞在した僕は
アパートの解約等をするために、
一度、東京に戻ることにした。

滞りなく解約は済み、
僕はその日の夕方は新幹線に乗った。

悠輔は何時気付くだろうか?

僕がアパートを解約したことを。

僕が東京からいなくなったことを。

さよならは告げずに僕は
実家に帰ることにした。