家具の匂いが生活感の無さを実感させる。
心地の良い木の匂いが私を困惑させた。
「ここに帰ってくるの、どれくらい振り?」
「んー、そんなの分からないかな」
寂しそうな目でこちらを見る彼を私はどうすることも出来なそうで、
このまま質問を続けてしまったら言葉よりも先に体が出てしまいそうで、
頭に浮かんだ数々の質問を打ち消すように下を向いた。
「気にしてんの?」
それを知ってか知らずか彼の口から出てきた言葉に即座に肩を揺らした。
「へえ、優しいんだね」
彼の表情は見えない。けれど淡々とした冷たい言い方に私は負の感情を覚えた。
「そんなこと、ない。私だって毎日自分のことしか考えられない、だからあなたの事なんてきにする余裕はないかも」

