夜の街はそれはそれは暗かった。
下校時間に家へ帰るわたしには未知の領域だった。
「ねえ、寒くないの?」
「うん、寒くない」
彼はニコリともせず、さっきまでのリラックスした表情なんてなく、ただ先を歩いてるだけの男の人になっていた。
この街を、私を、思考を、全部突っぱねるようにただ、歩いている気がした。
「ここだよ」
着いた先は新築っぽい綺麗なアパートだった。
「綺麗な所に住んでるんだね」
「改装したんだよ。元は結構経ってる」
「ふーん」
私はドアを開けた彼に会釈をすると、中に足を踏み入れた。
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