先生と17歳のあいだ





「的井さん、私ね。本当は体育祭の日に逃げちゃおうかなって思ってたんだ」


城田さんは芝生に両手を空を見上げた。



「大抵のことはこなせるんだけど運動だけは昔からダメで……。リレーなんて迷惑かけるだけなのに選ばれちゃって、すごく憂鬱だった」


「………」


「でも当日に逃げる勇気もないしさ。周りは応援するねって言ってくれるけど、それもプレッシャーで押し潰されそうだった。だから練習に誘ってくれて本当に嬉しかった」



城田さんの言葉に胸がぎゅっとなる。



私もリレーなんて目立つ人がやるものだから全然自信もないし、当日は足も震えちゃうと思う。

でも先生が言ってくれた。大切なのは失敗しても立ち上がり続けることだって。


失敗してもいいんだ、許してくれる人がいるんだって思ったら、自然と勇気が湧いてくる。




「先生に滑走順を聞いたら私は的井さんの前だって。ちゃんとバトン渡すからね」


転んでもいい。遅くてもいい。


ただ、全力でやってみよう。 



「うん。一緒に走り切ろう!」



ゴールテープを切った時、瞳に映る世界がカラフルであるように。

誰かと喜びを分かち合えるように。