先生と17歳のあいだ





走るフォームは調べれば調べるほど奥深い。

先生が言ったアドバイスをスマホで検索して頭にイメージを浮かべながら、城田さんに教えていく。



「膝はおへその辺りまで上げたほうがいいかも。あと、腕と足は連動してるから腕を速く振れば足の回転も上がるって」


「本当?ちょっとやってみるね」



城田さんは何回も100メートルを走った。

最初はやっぱり頭が動いていたけれど、視線をまっすぐにすることを意識して走ると自然と改善されて、タイムも徐々に縮まってきた。



「……すごい!4秒も速くなってる!」


いつの間にか私は城田さんと普通に喋れるようになっていた。



「……ハアッ……でもまだ20秒台でしょ?」


「でもすごいことだよ」


城田さんの体力が限界になってきたので、私たちは少しだけ休憩することにした。



飲み物を買いにいった先生はあれから一時間近く経つというのに戻ってこない。

城田さんは帰ったんじゃないかと疑っていたけれど、たぶん先生はタバコを吸いながらどこかで私たちのことを見てるはず。


それで先生の思惑どおり、距離が近くなっていく私たちの様子に口元を緩めているに違いない。