「つーかさ、リレーの練習するのに俺いる?」
先生はさっきから文句ばかり。私は先生はパーカーを引っ張って小さく呟いた。
「私と城田さんが選抜になるように仕組んだのは先生じゃないですか。練習に付き合うぐらいの協力はするべきだと思います」
「はいはい、分かりましたよ」
ものすごくふてぶてしい返事をされたけれど、本当に面倒くさかったら先生は最初からここには来ないと思う。
「とりあえず100メートルのタイム計るから」
そう言って先生はスマホを取り出す。どうやらストップウォッチ機能を使って計ってくれるようだ。
私と城田さんは指定されたスタートラインに立つ。そして先生がゴール地点にスタンバイをして声を飛ばした。
「行くぞ。よーい、どん!」
私は勢いよく走り出す。
体育の授業で短距離走をすることはあるけれど、本気で走っているのは陸上部員ぐらいでほとんどの人が手を抜いていた。
私も目立たないように軽く流す程度だったので、こんな風に本気で走ったのは久しぶりのこと。
風を切る、なんて言い方は大袈裟かもしれないけれど、身体をすり抜けていく空気がとても気持ちよかった。
ゴールを表す白いラインを踏んだところで、先生がスマホの画面をタップした。



