先生と17歳のあいだ





そして放課後。持ち堪えていた天気が午後から崩れはじめて、ついに雨が降ってきた。


グラウンドを使う運動部はピロティと呼ばれる場所へと移動してトレーニング。部活に入っていない人たちは雨が激しくなる前に帰ろうと昇降口へと急いでいた。



……どうしよう。傘がない。


私もとりあえずローファーに履き替えて、屋根付きの玄関口に立ってみたけれど、雨は強くなるばかりで地面はどんどん泥濘(ぬかる)んでいた。



たまに誰でも使っていいという置き傘が昇降口に置いてあったりするけれど、どうやら先を越されてしまったようで一本も残っていない。


雨が落ち着くのを待つべきか。それとも走って帰るべきか悩んでいると、隣でバサッとビニール傘が開いた。


傘の持ち主と目が合って私は「……あ」と小さな声を漏らす。




「もしかして的井さん、傘忘れちゃったの?」


それは、城田さんだった。


私は静かにこくりと頷く。昼間にうまく話せなかったというのに、また声をかけてくれるとは思わなかった。