「俺が友達になってやろうか?」
「……え?」
返事はしないつもりだったのに、思わず反応してしまった。
「明日もひとりなんだろ?俺もどうせ昼休みはここに来るし、ひとりで弁当を食うより話し相手がいたほうが飯はうまいよ」
な、なにを言ってるんだろう?
先生が友達?
そんなのありえない。
「い、いいです。別に」
この短時間のやり取りでさえ戸惑っているのに、明日も先生とふたりきりなんて耐えられない。
「あ、俺、そろそろ戻るわ。次返す小テストの採点まだなんだよ」
「ま、待ってください。私は友達なんて……」
私の言葉なんて無視して、先生は歩き出す。
「的井。明日もここに来いよ」
バタンッと閉まってしまった非常階段の扉。私は友達なんていらないのに、強引に自分の意見だけを押し付けて行ってしまった。
「……最悪」
私は力が抜けたように手すりに寄りかかる。
やっぱり世界は、私に優しくない。



