先生と17歳のあいだ




「あいつカッコいいよね。絵に描いたような好青年だし、頭いいし、顔いいし、優しいし、頼れるし、完璧だと思わない?」


先生が指折りに先輩のいいところを数える。教師の目線から見ても和谷先輩はかなり優秀な生徒のようだ。


たしかに先輩は頼れるし優しい。

委員会の時も各学年の人たちのことをよく見ていると思うし、先輩に好意を寄せている人は数えきれないほどいると思う。でも私は……。



「先生も悪くないと思います」


口調は軽いし、服装もラフだし、もう少し落ち着いたらいいのにって思うことはたくさんあるけど、私の思考の中にはいつも先生がいる。



「俺のことセクハラ扱いしたくせに」


「わ、私はしてないですよ!あの時は急に手が伸びてきたから条件反射で避けてしまっただけです」


珍しく早口で弁解すると、先生はクスリと口角を上げた。



……条件反射で避けただけ。とっさに言った言葉に今は助けられてる。


驚いたのは本当だけど、自分の中でモヤモヤしている先生への気持ちに気づきたくなかった。


……これが思春期というやつなのだろうか。


最近は自分の感情に名前が付けられないことが多い。