先生と17歳のあいだ





「菜穂の好きな唐揚げも買えたから教室で食べよう」


城田さんの手には友達が買ってきた唐揚げと潰れた焼きそばパン。



城田さんが人数分のパンを買っていたのはパシリにされていたわけではなく、食堂組と購買組に分かれて効率よく買っていたってことは分かる。


でも、潰れた焼きそばパンを当然のように城田さんに残すのは違うんじゃないのかな……。


教室へと戻っていく城田さんと目が合った。


城田さんは返事もロクにしない私にニコリとしてくれたのに、やっぱり私は臆病者で自分から声をかけることはできなかった。

 


「ねえ、的井さん。今日このまま俺と昼飯食べない?」


そのあと和谷先輩は私のことを優しく誘ってくれた。

 

「食堂の中でもいいし、中庭のベンチでもいいよ。せっかくだし、もう少し色々話したいなって思って」



誰とも接したくないと思っていた私が、先輩とこうしてパンを買いにきた末に、城田さんのことも気になっている。

他の人から見れば大したことはない。でも、私にとっては大きな進歩。
 


それを、一番に話したい人がいる。

 


「すいません。私、行くところがあるので失礼します。先輩が勧めてくれたメロンパン味わって食べます」
 

私は先輩に深く頭を下げて、ある場所へと急いだ。