先生と17歳のあいだ




「……あ、ありがとう」
 

私は城田さんの手から小銭を受け取る。



「的井さんってお弁当ってイメージだったけど、パンも買いにくるんだね」



城田さんは気さくに話しかけてくれた。近くで見ると小顔で目もビー玉みたいに丸くて、すごく美人だった。


自分に合う友達が分かってない、なんて先生は言ってたけど、私には十分、派手なグループの中にいる人って感じだった。


せっかく話しかけてくれたのに、私はうまく答えることができなかった。すると、食堂から友達たちが出てきて「菜穂ー」と城田さんのことを呼んでいた。


城田さんは慌てたように走り出す。けれど、背後にいた人にぶつかってしまい、焼きそばパンが落下。


「あっ……」と、私が駆け寄ろうとした時。タイミング悪くひとつのパンが通行人に踏まれてしまった。


私が助ける暇もなく、城田さんは踏まれたパンも拾って、そのまま友達の元へと向かった。
 


「えー踏んでおいて謝らないとか最悪だね。あいつ」

城田さんの友達が通行人を遠くから睨む。



「でもラップかけられてるし味は大丈夫なんじゃない?」

「まあ、たしかにね」 


友達たちはそう言って、城田さんの腕の中から綺麗な焼きそばパンを取っていく。