先生と17歳のあいだ





外に出ると、空気は湿っていて今にも雨が降りそうな天気だった。


玄関に立て掛けてあった傘はなく、おそらくお母さんが持っていったんだと思う。

たしかもう一本どこかにあった気がするけれど、探してる時間はないのでそのまま家を出た。



朝のホームルームは8時40分から始まる。


それまでに席に着いていないと遅刻だし、うちの学校は5分前行動を原則としているので本鈴が鳴る前には校門が閉められてしまう。


普段ならば20分かけて登校する道を、私は必死で走って半分の10分で到着した。



「ハア……ハア……ッ」


ずっと全力疾走だったので呼吸が追い付かない。それでも私の気持ちを遮断するようにして目の前にはすでに閉ざされた門。


遅刻常習犯の人は、たしか塀をうまく乗り越えて敷地に入っていると聞いたことがあるけれど……。

踏み台もなければ足をかける場所もない塀を、私が超えられる自信はない。



「あれ、的井さん?」


門の向こう側から声をかけてくれたのは和谷先輩だった。