先生と17歳のあいだ





「先生っていつも何時くらいに帰れるものなんですか?」


「うーん。日によって違う。生徒の最終下校のあと校務分掌(こうむぶんしょう)の仕事とか提出物の点検とか諸々やったりするから7時前に帰れたらラッキーって感じ」


「ちゃんとお仕事してるんですね」


「してないと思ってたのかよ」


先生は目を細めてタバコの煙を夜空に吐く。



先生と肩を並べて歩くのは初めてかもしれない。

先生と私って、こんなに身長差があったっけ。スニーカーも肩幅もタバコを持つ右手も、なにもかもが私より大きい。




「……先生はどうしてさっきのコンビニにいたんですか?」


普段から利用しているけど、先生に会ったことはなかった。



「いつも行ってるコンビニで食いたい弁当がなくてさ。だからわざわざ遠回りして買いにきた。車はすぐそこのパーキングに停めてある」



暗闇でパーキングの看板を示す黄色い電灯が眩しく光っていた。このままのスピードだったら1分も経たない内に先生と別れることになる。



今日も会ったし、明日も会える。

なのに、どうしてもう少し話していたいという気持ちが込み上げてくるんだろうか。