「俺が走ることと、お前の友達作りは別の話だよ」
「何度言われたって、私は城田さんに声をかけることはないですよ」
「カリカリしちゃって、晩飯がおにぎりだけだからカルシウムが足りないんだよ」
「それは全然関係ないです」
お互いに顔を見合わせて、反発するようにそっぽを向く。
意地になってる先生とムキになってる私。
通りすぎる人たちが私たちのことを見ても、誰も教師と生徒のやり取りだとは思わないだろう。
「……先生は学校帰りですか?」
話を続けたのは私だった。
リレーのことはやっぱり納得いかないけれど、怒っているわけじゃない。
怒っていたら……先生を思い出させた五目ご飯を買ってくるはずがない。本当は梅おにぎりのほうが好きなのに。
「そうだよ。今日は会議があったから長引いた」
先生はそう言って、タバコに火をつけた。
歩きタバコなんて教師がしていいのだろうか。
風紀委員として見過ごしちゃいけない気がするけれど、21時を過ぎているこの時間に出歩いてる私も風紀としては正しくない。



