先生と17歳のあいだ





六月の夜は暑くもなく寒くもなく、ちょうどいい気温だった。
 

空を見上げると無数に星が輝いていて、こうして星空を見て歩くのはいつ以来だろうか。


夜に遊びにいくこともないし、呼び出してくる友達もいないので、この時間に外に出ること自体、久しぶりな気がする。



「いらっしゃいませー」


私が入ったのはコンビニだった。

カゴを持つほどでもないと、私はそのまま飲食が陳列されている棚を目指す。


品数が少なくなっているおにぎりのコーナーには梅と混ぜご飯の二種類しか置かれていなかった。


七色、というわけではなく、ただの五目ご飯だったけれど無条件に郁巳先生のことを思い出してしまった。


今まで誰かを思い浮かべるスイッチなんて持ってなかったはずなのに。




「的井……?」


背後から気配を感じてビクッとなった。

けれどすぐに声色で誰だか分かり、私はゆっくりと振り返る。



「い、郁巳先生?」


お互いに面白いぐらい疑問形だった。


まさかこのタイミングで先生に会うなんて……。私はまだ信じられずに目を丸くさせたまま。