そして放課後になった。部活に入っていないクラスメイトたちが次々と帰っていく中で、城田さんを含むグループはまだ教室に残っていた。
「菜穂。うちらまじで応援するからね!」
どうやらリレーの話をしてるようだ。
「でも私、走るの苦手で……」
「大丈夫だって!リレーってグラウンドの半周で交代だから100メートルぐらいでしょ?」
「当日は転ぶ人も絶対にいるしワンチャンあるかもよ」
「菜穂の勇姿は絶対にスマホで撮影しておくから頑張ってね!」
……スマホで撮影。
私なら緊張で吐いちゃう。
城田さんは「ありがとう」と笑っていたけれど、やっぱり顔は引き吊っていた。
先生に声をかけろと言われたけれど、もちろん私はなにも言わずに教室を出た。
たしかに城田さんのテンションには合わない友達かもしれない。
でも城田さんに悪意を向けてるわけではないし、応援してくれる友達がいる時点で私とは立場が違う。
城田さんだって、私から声をかけられることを望んではいない。



