先生と17歳のあいだ






「それって……郁巳先生も出るんですか?」


「クラスを受け持ってる先生は全員出るみたいだよ」


そんなこと、さっきはなにも言ってなかった。


いや、先生は私と違ってリレーなんて余裕なのだろう。だって、いつもパワフルに生徒たちと遊んでるぐらいだし。




「教員リレーのジンクスがあってさ、最初にゴールテープを切った先生のクラスは、次のリレーでも一番でゴールするって知ってる?」


「い、いえ……」


「まあ、先生の頑張りを見たクラスの生徒たちが次は自分たちもって、士気が上がってるだけの話なんだけどね」



〝ちなみにお前にはアンカーを任せる予定だから〟

先生の声が耳の奥でこだましていた。



もう先生には踊らされない。振り回されたくない。

でも、先生は意味のないことは、絶対にしない。




「教員リレーでアンカーの人って……」


「四チームに別れて走るみたいだけど、たしか郁巳先生はアンカーに選ばれてるってうちのクラスの女子が話してたよ」



郁巳先生もアンカー。


そんなの知らない。聞いてない。



肝心なことを言わないなんて、先生はズルい。