「的井さんはなんの種目に出るの?」
「玉入れと……たぶんリレーです」
聞こえなければいいという声のボリュームで答えた。
「そうなんだ。俺は100メートルと棒倒し。あとは全員参加の組体操が午後の最初にある」
……体育祭まで、あと何日だっけ。
なんとしてもリレーだけは回避したいけれど、代わってくれそうな人もいないし、本当に風邪でも引いて休んでしまいたい気分。
私は先輩が目の前にいるのにずっと上の空で、参加する種目もぼんやりとしか聞こえていなかった。
そんな失礼な態度に腹を立てるどころか、先輩は話を続けてきた。
「リレーといえば教員リレーもあるよね」
「……教員、リレー?」
まだ体育祭のプログラムは配られていないので、なんの競技があるか把握していなかった。
「クラス対抗リレーの前。うちの担任なんて当日のためにジムに通いはじめたって言ってたよ」
先輩がクスリと笑う。



