先生と17歳のあいだ





そんなことを考えながら私は学校に着いた。


昇降口や廊下、各教室にまだ生徒たちの姿はない。普段も人混みは嫌いなので早めに登校するようにしているけれど、今日は別の理由があってこの時間にやってきた。



私は二年生の階を通りすぎて三階を目指す。


自分の上履きの音さえ響く静かな廊下を突き進み、足を止めたのは数学準備室の前だった。 



鍵がかけられていることを想定しながらドアに手をかけると、開き戸はゆっくりと右にスライドした。


相変わらず日当たりのいい部屋は空気がぽかぽかとしていて気持ちよかった。

けれど、中に郁巳先生はいなかった。


私は少し待ってみようと思い、肩からかけていたカバンの中身をそっと確認する。



教科書とノートと筆箱で隙間を埋めて、なるべく斜めにならないように気を付けていたカバンの中にはお弁当箱がふたつ。



実は今日、先生のぶんのお弁当も作ってきていた。