先生と17歳のあいだ





「的井、帰り道ぐらいは前見て歩けよ」 


先生は不機嫌なふりをしてる私なんて関係なしに後ろで手を振っていた。



無視してしまおうと歩き進めたけれど、今日は金曜日。次に先生と会うのは二日後だ。


私は考えた末に足を止めて、くるりと振り返った。




「……さようなら!」


頑張って張り上げた声は、思いのほか校舎に反響してしまっていた。



「はは。おう、月曜日な」

先生が笑って、もう一度手を振る。



たしか私はさっきまで憂鬱な気分で校舎を出たはずだった。なのに、今は校門を抜ける足取りが軽い。


今だって書記をやることに自信なんてないし、なんで私なんだろうってモヤモヤしてしまうけれど、やっぱり出来ませんでしたって、先生に報告するのはなんか悔しい。


だから、やってみる。


それで、上手くできたら……。



購買のあんぱんを譲与してくださいって、言ってやるんだ。